「障害者の天国」アメリカのバークレ市を訪ねて! 2004.12.10

バークレー市はアメリカ西海岸にありサンフランシとベイブリッジで結ばれていて、地下鉄で20分の対岸にある街で、障害者自立の街としても知られている所です。人口10万の小さな学園都市です。カリフォルニア大学の本校バークレー校があり、学生が3万人いて、障害者の学生も多く学んでいます。白人以外にも、アジア、ラテン系など多民族の集まる都市。 60年代には黒人やマイノリティの権利を保障させる公民権運動発祥の地ともいわれ、福祉・環境対策の最先端を行く。バークレーは障害者や高齢者の比率が他の都市より高いそうです。ホームレスの人も多く規則があまり厳しくないそうです。

11年前の平成5年に、昔から「障害者の天国」といわれているアメリカ・カリリフォルニア州のバークレー市にあるCIL「障害者自立生活センター」を視察に車椅子で訪れる機会があり、バリアフリーの整備が行届いた街を体験して来ました。
サンフランシスコ・ケーブルカー終点
バークレ市街

サンフランシスコから、地下鉄と路線バスを乗り継いでバークレー市に行った。車椅子は歩道に設けられたエレベーターでホームに降ります。ホームと車両の段差はぜんぜん無く、車椅子でも自由に乗り降りが出来るようになっていました。自転車の人も乗れるようになっていて便利な乗り物でした。
歩道に設けられたエレベーター
湾岸高速地下鉄のホーム

運転席から操作して乗降口の一番下からリフトが出てくる、手すりも一緒に伸びてきます。
街を走っている路線バスには、殆ど車椅子でも容易に乗り降りが出来るリフトが付いています。
車内には車椅子を固定するスペースが2箇所設けられていて、運転手が車椅子を固定してくれます。私達が訪ねたマイケルさんは車椅子で、バス会社の理事をされていました。




レストラン店内のスロープ
歩道のスロープ
車道と歩道のスロープは段差がぜんぜん無く、公園や街角の商店、ショッピングセンター、
喫茶店、レストラン、銀行等、不特定多数の人が出入りする建物すべてに段差が無く、段差があればスロープが設けられています。日本では道路と歩道の境をブロックで仕切ってあり、1〜2pの段差があるのでスムーズにいかないので困ります。

仕切りの下が20p開いている 、トイレはシンプル、手摺は片側だけしかない。ウオッシュレットは見なかった。
トイレがある所には、何処でも車椅子用トイレがあり、その心配はぜんぜんありません。ホテルの部屋も障害者用と、一般の部屋と殆ど変わりなく、お風呂とトイレに手すりが有るか無いかの違い、段差は無く、車椅子でもトイレに入れますし、まったく不便を感じませんでした。便器の高さがアメリカ人に合わせてあるので使いにくい所もある。手摺が片側だけなので障害度によっては使いにくい。公衆トイレは仕切りの下が開いてるので隣の人の靴が見えて日本の密室型に慣れてる私には落ち着きませんでした。

駐車スペースは広くスペースごとにポールを立て、注意事項を書いてある
歩道に身障者駐車許可表示ポール



←障害者や障害者を乗せた車は障害者専用駐車場に駐車するときは、左のような表示板をルームミラーに下げるようになっていました。カリフォルニア在住の人は青色、そうでない人は赤色を役所し申請して貰うようになっています。表示しないで障害者専用駐車場に駐車すると罰金を科せられます。
こうゆう制度によって日本のように一般の車が身障者用に平気で駐車することがないのです。
7年前にサンディゴ在住の娘の所に行った時、この表示板を下げてアリゾナ州とネバダ州を観光して回りました。
表示板をルームミラーに下げている写真

カリフォルニア州では1970年今から30数年も前から「公共的に利用される民間施設も対象に、車椅子でも利用できるように整備する義務」を州法でうたってあったのです。その後、6年前と3年前にも、アメリカに旅行しましたが、ADA法(障害を持つアメリカ人法)の制定から10数年を経っているのでアメリカの何処に行ってもバリアフリーの環境整備が整い、車椅子での移動やトイレの心配はまったくありませんでした。
障害者も高齢者も人々は誰もが差別なく、安心して何時でも行きたい所に行けるのです。それが当たり前になっていました。電動車椅子の障害者を街でよく見かけました。
いかに日本が遅れているのかを、思い知らされて、歯がゆくもあり、羨ましく思ったことでした。
日本もようやくハートビル方や交通バリアフリー法ができ、10数年前と比べて整備が進み、大分出やすくはなって来ましたが、全体的にはまだ民間施設での車椅子用トイレがほとんどなく、安心して遊びにも出られないのが現状です。
車椅子や高齢者が安心してまちに出る為には、車椅子用トイレの整備が必要不可欠だと思います。日本でもADAならぬJADなるものが制定されたらいいのですが!10数年前の事を書かなくていい様な社会になって欲しいと願っています。

サンフランシスコの市役所に勤める車椅子のリチャード・スカッフさんを尋ねたとき、日本の障害者の人へのメッセージを頂きました。役所では街や公園などの設計、バリアフリーのチェックなどの仕事をしている方です。リフト付きバンを呼んでサンフランシスコ市内の観光を案内してくださいました。

車椅子のリチャード・スカッフさんから日本の障害者へのメッセージ。
『アメリカは新しい国だから変わる可能性が沢山あるが、日本は伝統が重要な国だから大変だと思う。しかし、変えようと思うなら皆で押すことだ。誰かが変えてくれるだろうと待っているだけでは駄目だし、必要だと思うなら自分たちから要求しないと、何も変わらない。行政や人の考え方を変えることは、楽しいことじゃないし、簡単なことじゃない。それに今すぐ変わるわけじゃない。
でも、これから車椅子の人が住みやすい環境にしたいなら、「ああしなけれは」「こうしなければ」と押しまくることだ。私も今でも常にそうゆう風に言い続けている。「他の人はお金が無い」「必要でない」「賛成しない」など言うが、私は「必要だ」といって、あちこちで口げんかしている。
けれど絶対引かないで押しまくっている。だから、私が障害者の権利を信じる日本人の人たちに言いたいことは、「押しなさい」と言うことです。』
貴重なメッセージだと思います。私達障害者はもっと発言して行かなければならないと思います。